母親について考える
子どもが小学生になった。
私が母親になってもうすぐ7年になろうとしている。
しかし7年の年月が過ぎても、母親というのがよくわからない。
母親になってから言われた数々のことばを思い出すと、
「あなたまだ働いているの?」(近所の高齢女性)
「早く帰れていいよね~俺も帰りたい」(元職場)
「パートなんてどうせ小遣い稼ぎだろ」(元職場)
「二人目は?」(実父)(祖母)「一人じゃ可哀想じゃない」(義親族)
「正月にお雑煮作らないの?」「あなたは教育ママになるの?」(義父)
まだまだ投げつけられた言葉はあるが、いずれにせよロクなことを言われた覚えがない。
あのね、私はあなた方の夢をかなえるためのモノじゃない。好き勝手に自分の“こうあるべき”を私にぶるけるな。私は私だ、ごちゃごちゃ他人がうっせえわ。
と毎回毎回心の中で(たまに表に出して)激怒している。
皆それぞれ「母親はこうあるべき」を持っていて、びっくりする。
そうしてそれを他愛もなく目の前の人間にぶつける、という鈍感さも、どうしてしてのけるのか。
上記とは別に、子どもが小学生になってわかったことがある。
“小学校は専業主婦がいることで成り立っている”
ということだ。※注1
二日前に「絵の具セットを購入するならこの封筒にお金を入れてください」とプリントを渡されたり、金曜日に持って帰ってくる来週の時間割の持ち物欄に突然「軍手」と書かれていてる。絵の具セットに至っては、いつ使うのかは明示されておらず、もし他のものを用意するなら云々等の記載もない。買わなきゃいけないのか? 金曜の18時過ぎに学校に電話して確認する? そもそもこの時間に先生は学校にいるのか?
否応の余地はない。
行事のスケジュールも終わりの時間が書かれていなくて連絡帳でわざわざ確認しなくてはならない。
大量のプリントの隅っこに大事なお知らせが書いてある……。
こんな調子で、なかなか手に入らないものまで突然持ち物として指示されたり、スケジュールが不透明なまま学校生活が進む。
小さなことかもしれないのが、こんな出来事が二か月弱で他にも諸々あり、
「これは家に母親がいて自由に動ける、という前提で学校が物事を回しているのでは?」
と思うようになった。
時間に余裕がある専業主婦の人なら可能かもしれない。※注2
だが現在、母親の七割が何らかの形で就労しているという結果がある。
参考)2019年 国民生活基礎調査の概況 結果の概要 Ⅰ 世帯数と世帯人員の状況より
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/02.pdf
今の母親は常に家にいるわけではないし、そもそもどのような家庭にも余力があるという前提自体がおかしいのだが、小学校は当然のように家庭に「あれをしてほしい、これをしてほしい」と協力という名のもとに指示してくる。
それはつまり、家庭という力--余力として見られている母親のパワーに頼り切っているように見えてならない。※注3
シングル家庭で余力がない人たちはどうするのか?
親が病気だったら?
そういうときに困るのは子どもだ。
親がどうであれ、子どもが困らないように教育が受けられるというのが公共教育の意義ではなかったのか?
どこへ行けば私の疑問に答えてもらえるのだろう。
疑問は解決しないまま、
“母親に対しては好き勝手言っていい。
母親の力は今までどおり都合よく使いたいし、使う”
という現実だけ残る。
え、そんなの普通に嫌なんだけど。
母親というだけで、どうして好き勝手に消費されなきゃいけないの。
というか、
そもそもどうして母親はこんな扱いになっているんだ?
そんなわけで、最近の私の関心は“母親”だ。
どうやって母親は今の母親になったのか?
どうして母親パワーに学校は頼っているのか。
どうして母親は好き勝手言われるのか。
などなど、母親について調べて、私なりに理解したこと、考えたことなどをこのブログに書いていきたい。
(でも私、飽き性だからなあ。続くかなあ)
※注1)大雑把な言い方をしているが、専業主夫もここには含まれる。しかし注3にも記載したが、日本社会を見たときに専業主夫の数は少ないと思われる。
※注2)とはいえ、専業主婦がすべて時間に余裕があるわけではないだろう。障害を持ったお子さんの育児や親の介護をしている方等、さまざまな事情を抱えている方がいることは想像に難くない。
※注3)ここであえて母親と書いているのは、いまだに父親がフルタイムor自営業かつ母親が非正規雇用or無職というカップルが多いからである(全体の7割弱)。調査結果みなくてもそうだろうなあと思っていたけど、本当にそうだった。
参考)子どものいる世帯の生活状況および保護者の就業に関する調査2018(第5回子育て世帯全国調査)調査の概要・結果より
https://www.jil.go.jp/institute/research/2019/documents/192_01.pdf