引越準備を進めている

引越が決まってから、ちょこちょこと準備をしているが、分かったことは我が家のものの少なさだ。
少ない、本当に少ない。
本当にここに夫私子の三人で暮らしているんだろうか。本気か。

一番多いのが本だ。 本を詰めた段ボールがやたら積みあがっていく。

どういうことだ、ほとんど私の荷物じゃないか。

冷や汗ばかり出る。

たいてい本を前にすると本を開いてしまうものだが、開きもせず黙々と本を詰める。
後ろめたさがガソリンになっている。
臭いものには蓋をするのが一番いい。
本を詰めながら、過去の自分の本選びセンスに陶酔したりもする。
今年はいくら残したい本に出会えるだろう。

家の中で一番大きな本棚は残すところ三分の一ほどの量の本他紙文具類が残るだけになった。

本は開かなかったが、
紙束の中に、卒論を見つけた。
セッティングした実験が分析が難しく、別の方法をとることになって焦った記憶が蘇る。 A4用紙2枚程度の短い論文だが文章は拙い。
笑いたくなる。

でもまあ、あのころ一生懸命書き上げた卒論のテーマは、今もなかなか良かったと思える。

いつか心理学の研究をもう一度出来たらいい、と思いながら、紙束を詰めた段ボールの蓋を閉めた。