春の夕暮れ
春に向かう時期の夕暮れは、空気が冷たくて、湿り気があって、空が白んでいる。
薄いオレンジ色と水色のグラデーションは真ん中あたりで白んでいる。
少し前までポルカドットスティングレイを聴いていた。
労働時間が短いから、という理由で来客対応をさせられている、と数時間前に知った。
それは都合の良い理由でしょう?
数か月前までパートタイムで働いていた男性は、来客対応なんかしていなかった。
存在しないかのようにされている、偏見は確かにここにあるんでしょう。
あなた方が見ないふりをしているだけで。
それとも眼鏡は曇っているのかしら。
でもあなたたちは、この空を知らないでしょう。
この空気を知らないでしょう。
かわいそうに、かわいそうに、かわいそうに。
何がしあわせか、というのはいつだって難しい話だ。